ちょっと変わった人生歴をもった私は、どんな親に育てられたんだと聞かれることが多い。
ポンちゃん(父)は小さいころに脊髄カリエスになり背中と胸に大きなこぶがあった。
飛騨高山で生まれ育ったポンちゃんは、金も地位も名誉も全てを捨て運動家でヒッピーの道を選んだ。
ポンちゃんは旅に出ることが多く、一緒に過ごした時間は少ない。
簡単にいうと、絵描きで、作家で、旅人で、ヒッピーで、何かに縛られることなく、自由を貫いて生きた。
ミオ(母)はとにかく愛情深い人。
世界中の人を敵に回してもミオだけは味方になってくれる、なぜかそう思う程の信頼がある。
子どもの頃に黒人差別の本を読んで、自作の「黒人差別反対」のプラカードを首にぶら下げ、学校をこっそりサボって一日駅前で立っていたこともあるとか。あまりに変わった子で中学生の頃にはカウンセラーを紹介されたこともあるらしい。
ポンちゃんとミオは私が小さい頃に離婚していた、コミューンの中でお互いそれぞれ別のパートナーがいた。そんな何でもありの生き方を見て育った私は、何でもありの私になった。
世間は枠を作るのが好きだし、人はすぐに思い込みに縛られてしまう。
決まった道を歩く安心感、ない道を歩く不安感、選ぶことは自分でできる。
今日はポンちゃんの命日、乾杯でもしよっかな。