story.15_私が介護の仕事をしていた時のこと、

私が介護の仕事をしていた時のこと、ある女性に「維摩さん相談があるんです…、実は、私の息子が引きこもりになってしまって、部屋のドアを全く開けてくれません、私は今までレールの上しか歩いたことがないんです、レールから外れまくってる維摩さんならこういった時どうしたらいいか分かるかと」
おっ、私がレールから脱線しまくっていると言い切る人(笑)ま、その通りか。
とりあえず自分の感じることを熱く語ったが、語り終わったと同時に、さっさと洗濯物干さなきゃと走って行ってしまった、動揺していたのか網戸に追突してひっくり返ってしまった彼女。25歳の私には相手を動揺させるようなアドバイスしか出来なかったらしい(笑)
脱線しかしたことのない人間には、レールの上しか歩かないことの方が理解できないのだ。ただ、脱線した人間は、二度とレールの上には乗りたいと思わないのではないか?
と心の中で思う私(そもそもレールの上を歩いたことのない私に説得力なんてこれっぽいもないけど)
自分の肌で、心で、身をもって感じられる人生は今この瞬間しかないのだと思う。
勝手につくられたレールは、勝手に降りればいい。
そこには勇気と努力がいるけど、それが生きるということなのでは?
やらされる努力とやりたくってやった努力の差は大きい。